Claude Code / Cowork 深掘り&セキュリティ

一段うまく使う「機能・概念」と、安心して使う「守り」

Claude Code と Cowork は同じ脳・同じエージェント基盤。違いは接点だけ(Code=ターミナル/本気、Cowork=会話/デスクトップアプリ)。 ここでは、知っていると一段うまく使える機能と、業務で安心して使うためのセキュリティをまとめます。画面イメージ付きで。

知っておくと差がつく機能・概念

「ただ話す」だけでも動きますが、この6つを知ると精度と安全が一気に上がります。

📜CLAUDE.md(プロジェクトの憲法)

フォルダ直下に置くメモ。毎回のセッション開始時に必ず読まれ、「守るルール・用語・やってはいけないこと」を固定できる。“同じ説明を毎回する”が消える。

/init で自動生成

⌨️スラッシュコマンド

「/」始まりのショートカット。/init(初期化)/compact(会話を圧縮)/review(レビュー)/security-review(脆弱性チェック)。自作コマンドも登録できる。

/security-review が便利

🧭プランモード(考えてから動く)

計画 → あなたが承認 → 実行の順に切り替わるモード。いきなり手を動かさせず、段取りを見てからGOできる。大きな作業ほど効く。

Shift+Tab で切替

👥サブエージェント(分担・並列)

専門役の分身を最大10体まで並列で走らせる。調査係・レビュー係などに分けると、本線の会話が汚れず、速く・安く終わる。

最大10並列

🔌MCP(外部ツール・データに接続)

Claude を社内ツール・DB・SaaS に“つなぐ”共通規格。つなぐとその機能を最初から持っていたかのように使える。※つなぐ先はセキュリティ対象(後述)。

Model Context Protocol

チェックポイント(巻き戻せる)

作業の要所が保存され、気に入らなければ元に戻せる。フック(自動処理)で“自分の型”も仕込める。だから怖がらず試せる。

やり直せる安心

🧩スキル(Skills)

SKILL.md(指示+スクリプト+資料をまとめたフォルダ)。関連する時だけ自動で読み込むので普段は軽い。/スキル名で呼び出しも。例:資料デザイン・Webアプリのテスト・セキュリティレビュー等。自作もでき、Claudeアプリ/Code/APIで横断利用。

+メニュー →「プラグインを追加」から
$ claude
› CLAUDE.md を読み込みました(プロジェクトのルールを確認)
> この請求フォルダを棚卸しして、重複と属人化を洗い出して
[プランモード] 3ステップの計画を作成 → 承認を待っています…

Cowork ならではのポイント

ターミナルを使わず、会話で"任せる"側の勘所。

📁「Work in a folder」で範囲限定

作業させるフォルダを最初に指定。触れる場所を絞るので安全で、意図もブレにくい。

承認を挟んで実行

やることを提示 → あなたがOKしてから動く。勝手に確定しない。

🌙閉じても継続(バックグラウンド)

アプリを閉じても処理は進む。※ローカルのファイル/PC/ブラウザを使う作業は、アプリを開いたままに。

📊そのまま使える成果物

数式が生きたExcel、体裁の整ったPowerPoint など“開いてすぐ使える”形で返す。サブエージェントで並行処理も。

②′ 画面で見る ── よく使うメニュー

スクショの各メニューが何者か。ここを押さえると迷いません。

モデル
Fable 51
Opus 4.8✓ 2
Sonnet 53
Haiku 4.54
高速モードを有効にする

モデル選択:用途で“脳”を切替。最上位=Fable 5/標準=Sonnet 5/速さ・低コスト=Haiku 4.5。高速モードは応答を速く(精度優先なら通常のまま)。→ Claudeモデルの選び方(詳しく)

📎 ファイル / 写真を追加Ctrl+U
📁 フォルダを追加
/ スラッシュコマンド
🔌 コネクタ
🧩 プラグインを追加

+メニュー:作業フォルダを渡す/スラッシュコマンド/コネクタ=MCPで外部ツール接続/プラグイン・スキルで拡張。ここが“手を増やす”入口。

コンテキストウィンドウ(例 337k / 1.0M=34%)=会話の“作業机の広さ”。埋まってきたら /compact で圧縮。使用量は 5時間ごと+週次(全モデル/Fable 別)でプランの枠を消費します(Max 20x など)。

セキュリティ ── 安心して業務で使うために

3-1. データはどこへ行く?

💻 手=あなたのPC
見せたファイル・画面
──送信──▶
☁️ 脳=クラウド
考える(提供元)

エージェントに見せたものは脳(クラウド)に送られます。だからこそ「学習に使われるか/どれだけ保持されるか」を知って選ぶのが肝心。

区分学習に使う?保持期間
消費者(Free/Pro/Max)・学習ON使う5年
消費者(Free/Pro/Max)・学習OFF使わない30日
商用(Work / Enterprise / Edu / Gov)使わない既定で非保持・API入出力は30日以内に自動削除
ZDR契約(API / Enterprise・要承認)使わない保存しない(安全分類の結果のみ保持)

※ 最上位(Mythos級)モデルは安全目的で全プラン30日保持(2026/6/9〜)。機密を扱うなら、消費者版は「学習OFF」、本番は商用/ZDRが基本。

🔧 「学習ON/OFF」はどこで設定する?
Claude.ai → 左下のアカウント名設定(Settings)プライバシー(Privacy) → 「Claudeの改善に協力 / Help improve Claude」トグル
ON=会話が学習対象+最大5年保持/OFF=学習に使われず保持30日。2025年8月から消費者はオプトアウト方式(初期でONになり得るので要確認)。※既に学習に入ったデータは取り消せません。

3-2. 許可の仕組み(勝手には動かない)── Code は5モード / Cowork は3モード

ファイル操作・コマンド実行・MCP利用は、原則あなたの承認が必要。モードで「どれだけ自動に任せるか」を選びます。同じ基盤でも、Code は5つ・Cowork は3つ(Cowork は非エンジニア向けでシンプル)。

🖥 Claude Code(5モード) ── Shift+Tab で切替

モード
手動(既定)毎回確認・最安全
編集を承認編集は自動/実行は確認
プラン計画だけ作る
自動安全は自動/危険は停止
許可をバイパス確認スキップ・危険

💬 Claude Cowork(3モード) ── 会話版はシンプル

モード(フォルダ選択の隣)
✋ 手動で承認✓ 各アクションで一時停止
⏩ 自動承認自律・危険時だけ確認
⚠ すべての承認をスキップ危険でも止まらない

対応:手動で承認≈Codeの「手動」/自動承認≈「自動」/すべてスキップ≈「許可をバイパス」。Cowork に「プラン」「編集を承認」は無い(コーディング特有のため)。

いちばん右の「許可をバイパス/すべての承認をスキップ」は日常では使わないのが鉄則(Codeでは --dangerously-skip-permissions 相当)。※どのモードでも、設定やリポジトリの要所(保護パス)は自動承認されません。まずは両方とも「手動(で承認)」から

⚠️「手動」なら、危険な操作の前にこう止まります:
rm -rf ./old-data
許可毎回確認拒否

🔒サンドボックス(OSレベル)

ファイル/ネットワークへの到達を、信頼や言葉ではなくOSの仕組みで物理的に制限。切っていると「許可の仕組みだけが唯一の壁」になる。

🚫Deny リスト(既定で拒否)

削除・強制push・公開・秘密(鍵など)の読み取りといった破壊的な操作は既定で拒否。許可したものだけを通す“通行証”方式で、事故を未然に防ぎます。

3-3. いちばん新しい脅威:プロンプトインジェクション

AIが読み込む資料やWebページの中に、見えない命令を仕込む攻撃。エージェントは「あなたの指示」と「文書に埋まった指示」を確実には区別できず、両方に従ってしまう ── 2026年の最重要リスクです。

実例①:Cowork公開直後(2026年1月)、Word文書に1ポイントの白い文字で隠した命令が、利用者の財務資料(一部SSN含む)を攻撃者側へ送信させた(PromptArmor)。
実例②:2026年3月「Claudy Day」── 素の claude.ai セッションでも、見えない命令+データ持ち出しが成立し得ることが実証された(Oasis Security)。

→ だから「出所の怪しい資料・URL・添付」を鵜呑みにさせない、そして外部送信やファイル操作の前に必ず承認を挟むことが効きます。

3-4. 現場の5つのルール(これだけで9割安全)

ダミーで試す。初めての作業・共有前のデモは、本物の機密ではなくダミーデータで。
承認を残す。ファイル操作・外部送信・コマンド実行は「Ask」。“全許可”フラグは日常では使わない。
プランを選ぶ。機密を扱うなら消費者版は「学習OFF」、本番業務は商用/ZDR契約で。
範囲を絞る。Coworkは作業フォルダを限定、MCP接続は必要な範囲だけ(最小権限)。何がつながっているか把握する。
鍵は書かない。APIキー・パスワードはプロンプトやコードに貼らず環境変数へ。出所の怪しい資料・URLは鵜呑みにさせない。
まとめ:Claude Code / Cowork は「脳はクラウド・手はあなたのPC」で、承認・サンドボックス・学習OFF/商用という守りが用意されています。 一番の新リスクはプロンプトインジェクション。「怪しいものを鵜呑みにさせない+要所で承認」を守れば、リスクは Gmail や freee にデータを預けるのと同程度に収まります。